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氷上回廊

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氷上回廊

氷上回廊とは

氷上回廊とは

気候と地球温暖化

風が出会い、水が生まれ、生命が行き交う地
氷上回廊(ひかみかいろう)の中心地周辺では、年々雪が減り、様々な変化が起きつつあります。

豊かな自然と文化を揺るがす異変に、私たちは…

瀬戸内海側と日本海側の気候が混在

瀬戸内海沿岸地域は瀬戸内海式気候といわれるように雨量が少なく、温暖な気候です。
一方、日本海には湿った対馬暖流が流れ込み、冬の北西の季節風により多くの雪が降ります。
この2つの気候が兵庫県丹波市あたりで出会い、秋から冬に発生する「丹波霧」が象徴する昼夜の寒暖の差は、おいしい作物が実るための絶好の条件を与えてくれます。

太古の気候変動の恵み

氷上回廊を取り巻く地域は、寒冷な氷期と温暖な間氷期という太古の気候変動のリズムの中で、多種多彩な生き物たちが行き交い、豊かな自然が育まれてきました。
私たちの祖先はその豊かな恵みの中でこの地に深く根を下ろし、2万5千年以上経った現代に至っても、生命に満ちた里山や稔り多い水田風景として、その豊かさを感じることができます。

ところが最近、氷上回廊周辺の農家は“異変”を感じ始めています。
「冬の雪が激減している」「集中豪雨(積乱雲の発生)が増えている」「一気水(雨が降ると、一気に増水して流れる水)が増えた」。先祖代々、地域の気候と向き合い、土を耕してきた農家の古老の経験や勘。
それを覆すような現象が増え、豊かな稔りが揺らいでいます。

今、地球温暖化が世界各地で懸念され活発に議論されていますが、氷上回廊周辺でも気候が徐々に温暖化し、様々な影響が出始めているのかもしれません。

豊かな水の異変

この地域では「冬に雪が少ないと、夏に水が涸れる」と言い伝えられてきました。
「夏の雨はとても大事やけどすぐに流れる。冬の雪はしっかり山に染みこんで、夏まで水をもたせる(夏にも川の水が涸れない)」。そんな言い方で、冬の雪と夏の農耕との深い繋がりを表現してきました。
しかし、もしこのまま温暖化によって雪の減少が進めば、この地域の豊かさを支えてきた水は大きな異変を迎えることになります。

それだけではありません。
例えば、いつごろ霜がなくなる、いつごろ晴れる日が多くなる、いつごろ水がぬるむ、いつごろ霧が多い、いつごろ虫が増える、いつごろから苗が丈夫に育つ・・・。

そんな地域特有の気候風土に合わせて、農家は先祖代々知恵を編み上げてきました。 気候が変わるということは、それらの伝統的な農家の知恵がいっぺんに働きを失い、豊かな稔りを失ってしまうということなのです。

地球温暖化で南北の両極地の氷が溶けたら

海面上昇10mの場合→加古川下流の平野は海の底に。
海面上昇50mの場合→小野市から加東市滝野あたりまで水没。由良川流域では福知山市から丹波市市島町あたりが海底になります。
海面上昇100mの場合→加古川側をさかのぼって瀬戸内海からくる海水と、由良川をさかのぼって日本海からくる海水が丹波市氷上町石生の「水分れ」で合流し、本州を分断する「海峡」が出現することになります。そんなことにならないように…。

海面が100m上昇した時の日本列島

成長するタイミングが狂う生き物たち

例年にない天候は田畑の作物だけでなく、周囲の里山や原生林に住む多くの生き物たちの“成長するタイミング”も狂わせています。
例えば、花が咲くタイミングと花粉を運ぶ昆虫たちの成長するタイミングがずれてきたことが恐れられています。
夏の度重なる集中豪雨で、生息地にあった全ての株がごっそり濁流に押し流されて消滅してしまった植物もあります。
また、「雪の下で守られていた草木がシカに食べつくされて、絶滅寸前に追い込まれている」といった調査結果も出始めています。

この先、更に地球温暖化が急速に進むようであれば、自然のバランスが大きく崩れることは間違いありません。

一方で、生命豊かな森や水辺は地球温暖化のダメージを緩和する潜在能力があるといわれています。ひょっとしたら、私たちを地球温暖化の危機から救ってくれるのは、生き物あふれる森や水辺かも知れないのです。